Twitter上で、スワドルアップなどのおくるみは「股関節脱臼につながる可能性があるから使わないほうがいい」という認識が広がっています。
発端となったのは、コニーが発売したスワドル。
この製品がTwitter上で、整形外科医から「発育性股関節形成不全」の指摘を受け、販売中止となったことでした。
そこから波及して、スワドルアップに対しても不安や疑念の声が上がるようになったのです。
せっかくスワドルアップで赤ちゃんが寝てくれるようになったのに…。
そんなふうに残念な気持ちになるママやパパも多いのではないでしょうか。
スワドルアップは赤ちゃんの股関節に負担をかけないよう設計された商品です。
ひとくちに「スワドル」といっても、つくりはメーカーによってさまざま。
コニーのスワドルに指摘があったからといって、スワドルアップも同様にダメ!とは言えません。
それでは、スワドルアップは赤ちゃんの股関節に「悪影響がない」と言えるのでしょうか?
そもそも赤ちゃんの股関節形成不全とは何か、スワドルアップは使うと危険なのか、調べたことをわかりやすく解説していきます。
赤ちゃんの股関節形成不全とは?どんなときに起こる?
赤ちゃんの股関節は、大人と比べてとても柔らかいため、負荷をかけるとすぐに位置がずれてしまいます。
例えば、おむつ替えのときに赤ちゃんの足を持ち上げたり、まっすぐに伸ばしたりすると、足の付け根の股関節が脱臼し「股関節形成不全」を引き起こします。
では、脱臼などの「股関節形成不全」を予防するにはどうずればいいのでしょうか?
最も重要なのは、赤ちゃんの足が「M字」になっていることです。
カエルのように足を曲げた姿勢は、赤ちゃんにとって股関節に最も負荷をかけない姿勢なんです!
赤ちゃんの足は、常にMになっていることが望ましいです。
…ですが、1日中監視しているわけにもいきませんよね。
私たちができる対策は、赤ちゃんが足を自然と「M」にできる環境を整えることです。
- 赤ちゃんが足を自由に動かせる状態→自然とM字になることが多いので、特段問題はありません。
- 抱っこ紐やおくるみに入れる場合→M字をキープできるように親がサポートしてあげることが大切です。
スワドル製品で問題になるのは、「赤ちゃんが足を自由に動かせる状態か」という点ですね。
股関節形成不全のリスクあり!販売中止されたスワドルとその経緯
着せるだけでおくるみと同じ効果が得られる「スワドルアップ」は、赤ちゃんがよく寝てくれることから“寝かしつけの神アイテム”として大人気となりました。
後続で、さまざまなメーカーからスワドル製品が販売されるように。
今回問題になったのは、その中のひとつです。
有名メーカーであるコニー(Konny)のスワドル。
Twitter上で製品の写真が拡散され、それを目にした整形外科医から「発育性股関節形成不全」のリスクを指摘されたのです。
(※それを受けてコニーはすぐに販売を中止しました。)
これは注意喚起した方が良いですね……
うちもさっきインスタで流れてきました— おると🦴整形外科医 (@Ortho_FL) November 5, 2022
たしかに、足を動かす余裕がないように見えるので、脱臼が心配になりますね。
その騒動から発展して、スワドルアップは大丈夫なの?という不安の声が上がるように。
整形外科医の先生から「スワドルアップも、股関節形成を考えると推奨しない」との発言があり、ますます心配の声が大きくなりました。
スワドルアップは、股関節脱臼予防の観点から足を自由に動かせる形となっており、それも人気の理由のひとつでした。
スワドルアップは、本当に使わないほうが良いのでしょうか?
スワドルアップは股関節に悪影響?安全といえる理由は2つ
結論から言いますと、股関節形成不全のリスクは0ではありません。
しかし調べた限りでは、その可能性はとても低いといえそうです。
スワドルアップを使うと分かる!下半身はゆったりM字
スワドルアップは足を自由に動かせるよう、下半身にかなり余裕をもたせたつくりです。
スワドルアップの足幅(D)は…
Sサイズ【3.5~6㎏用】 | 31㎝ |
Mサイズ【6~8.5㎏用】 | 34㎝ |
赤ちゃんが足をMにしているときの幅を測ってみてください!
足をしっかりM字にした状態でも、ちゃんとゆとりがあるサイズだと思います。
Twitterを見ても、スワドルアップは足をしっかりMにできるという意見が多かったです。
(実際にスワドルアップを使っていて、股関節への不安を感じているツイートは見つかりませんでした)
乳幼児睡眠コンサルタントとして活動されているねんねママさんのツイートから↓
おくるみ自体は悪いものではなく、M字にできるかどうかですね😌
息子にはスワドルアップを使ってますが、お腹の方まで膝をあげられており、足の自由度は高いとは認識しています。
メーカーさんも「股関節の成長を考慮して」と記載されてます。
今回のことで改めて情報あれば追って発信します。 pic.twitter.com/Q4EZvtOjVd— ねんねママ@すぐ寝る、よく寝る赤ちゃんの本 (@nenne_mama) November 6, 2022
私も息子に着せていましたが、足をM字にしたり、バタバタさせたり、下半身の動きが制限されている様子はなかったです!
スワドルアップが不安視されているのを知り、少し驚いたくらいです。
股関節への安全性について公的機関の認証を受けている
スワドルアップは赤ちゃんの股関節にやさしいということで、国際発育性股関節形成不全協会(IHDI)という公的機関の認証を受けています。
スワドルアップの公式ブログに、同協会(IHDI)が掲げる「おくるみの安全基準」が掲載されています。
▲おくるみの設計上の考慮事項
国際股関節異形成協会(IHDI)公式サイトより
チャールズ・T・プライス医学博士
米国小児科学会フェロー
セントラルフロリダ大学医学部
整形外科学教授【赤枠内訳】
乳児が過度に拘束されることなく
積極的に股関節を曲げることができ、
同時に中程度から完全な股関節の外旋を可能にするもの。
お尻と膝を固定し、太ももをくっつけてまっすぐに
固定するようなスワドリング(抱っこ紐)や
その他のアイテムは、
“ヒップヘルシー”(股関節に優しい)とは認められません。
これは生後6ヶ月未満の乳児用製品にのみ適用される基準です。
スワドルアップは、医学博士も在籍する股関節形成不全の専門団体から、安全の認証を受けているということです!
リスクがないとは言えませんが、安心材料になりますね!
股関節脱臼のリスクゼロ!安心して使えるおくるみはある?
リスクが低いとはいえ、やっぱり不安を感じてしまう…
だけど夜泣きやモロー反射に困っていて、何とかしたい!
そんな方には、足が出るスワドルがおすすめです。
足が完全に出ていれば、スワドルが原因で股関節を脱臼することはほぼなくなります。
そのぶん「おくるみの安心感」は減ってしまいますが、上半身だけつつまれていれば、モロー反射で起きることは少なくなるはずです。
設計はスワドルアップ似で、足を出せるおくるみがこちら!
\ ねくるみ /
画像出典:楽天市場【ねくるみ】販売ページ
この製品も、スワドルアップと同様に、国際発育性股関節形成不全協会(IHDI)から「ヒップヘルシー(股関節にやさしい)」との認証を受けています。
レビュー評価も、★4.51(887件)と非常に高いです。※2023.01時点・楽天市場
上半身はスワドルアップより少しゆったりめ。個人的にはそこも推せるポイントです。
ただし身丈が短く、足を伸ばすと生地がグイーンと伸びる感じになります。気になる方は注意!
画像出典:楽天市場【ねくるみ】販売ページ
まとめ「スワドルアップを使っていい?」
スワドルアップはリスクゼロとまではいえないものの、股関節の発育に悪影響がないよう設計された商品です。
国際発育性股関節形成不全協会(IHDI)から「ヒップヘルシー(股関節にやさしい)」製品であると認証されています。
実際に息子に使ってみた感じとしても、下半身の自由度は高く、足をMにしてお腹のほうまで上げる様子が見られました。
抵抗があるのに無理に使うものではありませんが、使いたい人は、罪悪感なく使っていい商品だと思います。
また足を出せるスワドルも販売されているため、下半身はくるまずに、上半身のモロー反射だけ防ぐという選択肢もありますよ!
少しでも増えますように!
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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